2007年9月27日 (木)

捨てるのが得意な人は病んでいる

 積極的に捨てて整理することは今でももてはやされているのだろうか。

 私の周囲にもとにかく積極的に捨てようという人物がいる。たしかにこの人たちの机などは非常にすっきりしていて、とにかく開放感がある。日常において余計なものは置いておかない、整理して片付けられるものだけ保存する。

 が、こういう人たちに資料の保管は期待できない。「こないだあったアレ、新しい企画で使えると思うんだけどどこにある?」「使わないものなので捨てました」と毎度この調子である。遺跡や文化財も一部を残して捨ててしまいそうである。

 この「捨てて片付け派」は私に言わせれば「リセット病」である。延々と長く続く状態に耐えられないため、常にリセットの機会を探している。リセットボタンを押さないと心の整理がつかないのである。

 だから、「今そこにあるものの長所を探し出して生かそう」という発想はなかなか出てこない。ダメなところが目立ってきたらとにかくそれをまず捨てる。それに気になる価値が一部残っていたとしても、大部分が不要と感じたらくっついたまま捨てる。とにかくリセット優先。スッキリしたくて仕方ない。

 長期展望が期待できないだけでなく、差別的な感情も強い。捨てるために彼らは「優先順位」をとにかく付ける。ヘタするとそれもなく全て廃棄ということもあるが、必要なものと不要なものの差別をしたがる。それをしなければ捨てられないからということでもあり、そもそも差別が目的である可能性もある。周りものほぼ全てをこの人たちは差別しており、好きなものと嫌いなもの、使いたいものと使いたくないものにはっきり二分する傾向にある。ナチスの民族主義もそうだったように、「スッキリ」感には危険な差別思想が眠っている。

 世の中、いろいろあるから、いろいろ難しい。多様性があるからこそ、捨てる捨てないの決着は付けにくい。リセット人間はリセットばかりなので積み重ねに乏しい。向上心を持って、混沌に対する理解も持って、現実的ではないスッキリ感を追うことなく冷静に過ごしていく姿勢を見据えて生きたいものである。

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